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中国で観るソチ五輪の浅田真央、羽生結弦、上村愛

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 浅田真央選手がジャンプ失敗で全体に冴えがなく、16位に沈んだフィギュア・スケートのショート・プログラムの翌日でも、中国のポータルサイト新浪のソチ・オリンピックページには、「キム・ヨナ対浅田真央の頂上対決」の見出しが躍っていた。

 フリーの素晴らしい演技を予感したようだった。中国国営放送のCCTVでも、日本人女性の浅田真央選手と上村愛子選手は、ソチ・オリンピックの華として、特別扱いだった。ビデオ映像が繰り返し放送された。中国国営通信社の新華社では、キム・ヨナ選手、浅田真央選手に、中国の李子選手を加えて、3人の成長史と銘打って、子供の頃からの「秘蔵写真」を特集していた。

アジアの視点でフィギュア・スケートを総括

 フィギュア・スケートはオランダや英国など欧州で生まれて米国で発展してきた歴史を持つ。女子フィギュア・スケートが終わった21日の新華社は、アジア系選手の活躍でスケート競技を総括した。伊藤みどり選手がアルベールビル・オリンピックで、フィギュア・スケートで、初めてメダルを獲得して以来、中国、韓国の選手が加わり、20年間余りで欧米が独占してきた競技で、アジア系の選手がメダルや入賞できる状態になったことを称えた。

 時系列では、伊藤選手に続いたのは、1994年のリレハンメルと1998年の長野オリンピックの2大会連続で、女子フィギュアで銅メダルを獲得した陳露選手がいる。2002年のソルトレイクシティ・オリンピックでは、ペアで、中国の申雪・趙宏博組が銅メダルを獲得し、アジア系初のメダリストになっている。

 2006年のトリノ・オリンピックでは、張丹・張昊組が銀メダル、申雪・趙宏博組が銅メダル、さらに前回のバンクーバー・オリンピックでは、申雪・趙宏博組が金メダル、龐清・佟健組が銀メダルと、金銀を独占した。ソチでは、中国のペアは4位と8位入賞となり、ペアの厚みを示した。

 さらにバンクーバー・オリンピックでは、韓国のキム・ヨナ選手が金メダルを獲得したほか、高橋大輔選手が銅メダルを獲得し、男子フィギュアの壁を破ったことになる。そして今回のソチ・オリンピック、男子フィギュアでは、

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