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マイクロソフト、シェア14%からの挑戦が始まった

大河原克行 フリーランスジャーナリスト(IT産業)

 米マイクロソフトが、米国時間の7月14日から、米ワシントンD.C.のWalter E.Washinton Convention Centerで開催した「Microsoft Worldwide Partner Conference 2014」で、驚くべき発言が同社幹部から聞かれた。

米マイクロソフトのケビン・ターナーCOO米マイクロソフトのケビン・ターナーCOO

 米マイクロソフトのケビン・ターナーCOOは、参加した全世界136カ国、1万6000人以上のパートナー企業を前に、「いまや、マイクロソフトのシェアはわずか14%に留まる」と発言。「我々はチャレンジャーであり、多くのビジネスチャンスがある」と、参加者に訴えた。

 これまで「マイクロソフト帝国」ともいわれ、IT市場に君臨していた同社が、初めて自らの立場が、この市場において絶対的なものでないことを認めたともいえる。

 ターナーCOOは、「3億台の市場規模を持つPC市場においては、マイクロソフトは9割のシェアがある。しかし、スマートフォンやタブレットを含むすべてのデバイスで見れば、そのシェアは14%しかない。もっと他社の製品を研究し、熟知することや、さらにスピードをあげて事業に取り組む必要がある。失敗するのならば早く失敗し、それを教訓にして再挑戦しなくてはならない。挑戦者のマインドセットに変えていく必要がある」と語った。

 2014年2月に、CEOにサティア・ナデラ氏が就任して以降、マイクロソフトの基本戦略は、「Mobile first,Cloud first」となっている。

 だがこの言葉は、むしろマイクロソフトが弱い領域を示したものだといえる。

 PCでの成功はタブレットやスマートフォンへの展開で後れを取ることにつながり、オンプレミスと呼ばれるクライアント/サーバー型ビジネスでの成功は、クラウドビジネスへの参入を遅らせた。

 つまり、「Mobile first,Cloud first」の号令は、モバイル領域においてはタブレットやスマホの事業拡大により、アップルやグーグルから、

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