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中国と韓国が熱中する奇怪奇妙な原発商売

自ら運転したことがない新型炉を輸出する無謀

団藤保晴 ネット・ジャーナリスト、元全国紙記者

 新型自動車設計したメーカーが造って走らせる前に売り出すことはない。多数の部品から出来ており、どこに異常が潜むか分からない。ところが、膨大な部品からなる原発を中韓両国は設計図だけで売る商売に熱中だ。他国のことながら重大事故を起こせば地球規模での災害になり得る原発だけに、心配になる。自ら運転経験がない新型炉を売り、韓国型炉は現にアラブ首長国連邦(UAE)で出来つつある。

 手広く商売を広げているのは中国で、今年に入ってアルゼンチンとパキスタンからの受注が報じられた。それが上の写真「華竜一号」で、百万キロワット級の大型原発だ。中国が自主開発し、知的財産権を全て掌握していると主張している。福島原発事故をうけて重大事故予防機能を強化した第三世代の原発という。

 しかし、原発建設ラッシュの中国本土で、この新型炉の建設はまだ始まっていない。パキスタンでは人口1000万を超す最大都市カラチの近郊に建設する予定で、不安を持つ住民から反対の声が出ている。

 中国本土で最も建設が進んでいる新型は米ウエスチングハウス社が開発した第三世代炉「AP1000」である。実はこの炉も本国の米国でまだ建設されていない。浙江省の三門原発と山東省の山東海陽原発でウエスチングハウス自身が建設にあたっている。同社は加圧水型原子炉の開発者であり、豊富な開発と建設の経験を持つから設計図をいきなり現場に持ち込むのも許されるのかもしれない。それでも、2014年中の運転開始予定が、循環ポンプなどに技術的な支障が発生して3年遅れになっているという。

 この出来上がっていない新型炉をベースに、更に大型化した原子炉「CAP1400」を中国は独自開発すると言っている。その新・新型炉に南アフリカなどが強い関心を示していると伝えられるのだから、

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