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価格競争の先 消費者が納得するには

神通力を失うデフレにかなった商い

多賀谷克彦 朝日新聞東京本社経済部長

 この春、東京・二子玉川にオープンした「蔦屋(つたや)家電」に出かけた。大手の書店チェーン「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブによる初の家電の店という。

 家電量販店のつもりで入ると「これ、家電の店?」と驚かされる。最初に目に入るのは、店推奨の書籍群。内装はダークウッドが基調、照明も抑え気味なので落ち着いた感じがする。

従来の家電量販店には外国人観光客らの姿も目立つが

 売り場中央には、カフェが広がる。傍らにはスターバックスの店舗。平日の午後、若い人たちは自前のパソコンに向かい、年配の人はカップを手にソファで売り物の本を眺めていた。席は、ほぼ埋まっている。

 肝心の家電売り場は、カフェを取り巻く書棚の外側にぐるりとある。量販店と違うのは、絞り込まれた品ぞろえ。スマートフォンはアップルだけ。テレビは

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