メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

一億総中流時代の終焉

経済の成熟と格差の拡大

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 日本をはじめ多くの先進国は成長局面から成熟局面に移行してきている。実質GDPの成長率は0から2.5%。インフレ率も1%前後になってきている。低成長・低インフレ時代の到来だ。ちなみに、2014年の日本の成長率はマイナス0.06%、インフレ率は2.74%(消費税の5%から8%への引き上げを含む)だ。

 日本は1999年からデフレ状況に入り、2005年までは消費者物価指数が下落した。その後もデフレ状況は継続し2012年はマイナス0.04%に。13年は0.36%、14年は前述したように、消費税増税を含んで2.74%だ。

 15年には1.01%とプラスに転ずると予測されているが(IMFによる2015年4月時点の推計)、デフレ、あるいは、デインフレ状況は続いているといっていいのだろう。欧州中央銀行(ECB)総裁、マリオ・ドラギはユーロ圏も

・・・ログインして読む
(残り:約840文字/本文:約1209文字)