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乙武洋匡氏の不倫に見る日本型結婚の闇(中)

なぜ、日本の不倫は社会問題なのか?

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 前回につづき、今回も話題になった乙武洋匡氏の不倫騒動から、子のいる日本人男性の不倫という問題について、論じて行きたいと思います。

 このテーマについて様々な意見があがっておりますが、そもそも「不倫は個人の問題だから批判するのはおかしい」という声が一定数出ているようです。

乙武洋匡さん=和歌山市七番丁 2014乙武洋匡さん=2014年、和歌山市の講演会で
 ですが本当に個人の問題と言い切れるのでしょうか?

 確かに、不倫という行為だけを見るのであれば、それは個人的な行いです。

 フランスのミッテラン大統領が就任直後、女性問題について質問した記者に対し、「Et alors?(それがどうしたの?)」と答えたという話は有名ですが、政治家としての能力や仕事と不倫という個人的な行為は、評価される時には全く関係が無いということが理想的な状態です。

 ですが、日本における乙武氏のようなケースでは、全く関係無いとは言い切れないのではないかと思います。

 まず、前回の記事でも指摘したように、乙武氏は個人的な行為である不倫について、オフィシャルサイトという公の場で謝罪をしました。

 ということは、この時点で乙武氏自ら不倫の問題を個人的な問題ではなく、公の問題にしてしまっているわけです。

 それゆえ、「不倫はプライベートの問題だから赤の他人が騒ぐのはおかしい」というのであれば、まず乙武氏に対して「不倫はプライベートな問題なのだから公に謝罪文を出すのはおかしい」と言うのが筋でしょう。

 では、乙武氏がミッテラン大統領のように、「それがどうしたの?」という返しをしていれば、不倫は個人的な問題のままであると言えるのでしょうか?

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