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「ワイド!スクランブル」大下容子さんがすごい~丸川珠代さんと何が違うか

はしゃがず涼しい「自意識些少パワー」

矢部万紀子 コラムニスト

 「意識高い系」とは、どうやら「やる気はあるけど空回りしている」とか「過度に自分を演出するけれど中身がない」とか、人を揶揄する時に使う言葉らしい。だとすれば、それではない。が、意識は高い。そうだ、「高い意識系」という表現はどうだろう。

 と、何の話かといえば、テレビ朝日系の「大下容子ワイド!スクランブル」(月〜金、10時25分〜13時)だ。2週間ほど、集中して見た。はやりに乗るなら、ゴン攻め。「独自路線でいく」という気概と、路線への確信からくる様式美、それを支える大下容子さんというアナウンサーの「自意識些少パワー」が伝わってきた。その3つが重なっての「高い意識系」。そう認定した。

 ゴン攻めのきっかけは、<勝負を捨てた「ワイド!スクランブル」が報道番組のなかで一番輝いて見えるワケ>という記事(7月6日、現代ビシネス)だった。裏番組が坂上忍さん(フジテレビ系)や南原清隆さん(日本テレビ系)や恵俊彰さん(TBS系)とタレントキャスター揃いなのに、大下さんは局アナ。「ワイド!」前後の番組(「じゅん散歩」と「徹子の部屋」)は完全にシニア狙い。前後左右からいっても勝負に出にくく、それを逆手に「やりたいことをやる」方針でいったことが成功につながった──そんな内容だった。

「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)の大下容子さん(左)と佐々木亮太アナウンサー=提供・テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)の大下容子アナウンサー(左)と佐々木亮太アナウンサー=提供・テレビ朝日

アフガニスタン、レバノン……「独自路線」への気概

 記事中、目が釘付けになったのが「大下さんはテレビ朝日で丸川珠代五輪相と同期だった」という指摘。筆者の鎮目博道さんはテレビ朝日出身のテレビプロデューサー、ライターで2人の1年先輩。<大下さんは入社した時から、同期である丸川珠代五輪相と常に比較され「丸川は華があるが、大下は地味」と言われ続けてきた人だ>とあった。

 会社は違うが私は、1993年入社の2人の10年先輩にあたる。長く組織に属した者として、丸川さんについては思うところが多い。彼女を見ると「結局、えらくなるのはこういう女性ね」と軽い絶望に襲われる。彼女の喜々として「長いもの」に巻かれる様子を見ると、求められる能力のありかを思い知らされ、そういう女性が登用されて「女性活躍の一丁上がり」になってしまう無念さが込み上げる。

テレビ朝日出身、今や五輪担当大臣となった丸川珠代さんテレビ朝日出身で、現在は五輪担当大臣となった丸川珠代さん

 そんな彼女と比較されてきた大下さんが、冠番組を持っている。俄然、興味を持ち、ゴン攻めした。

 それで感じた「独自路線」への気概。説明がわりに「ワイド!スクランブル」を見て知ったことを、ランダムに並べてみる。

・米軍が撤退したアフガニスタンでタリバンが勢いを増しているが、彼らは選挙というものを否定している(7月12日放送)。
・金融産業の破綻から経済が行き詰まったレバノンでは、2020年8月の爆発事故が追い討ちをかけ、内閣不在が11ヶ月続いている(同22日放送)。
・中国の謝鋒外務次官と会談した米国のウェンディ・シャーマン国務副長官(72)は、粘り強い交渉スタイルから「白髪の魔女」と呼ばれている(同27日放送)。

 すべて、午後の「NEWSドリル」というコーナーで学んだ。国内ネタも取り上げるが、「“自民党王国”山口県で事実上の分裂」(同15日放送)のように、他の番組はメインで扱わないようなテーマが多い。7月29日現在、五輪のメダルラッシュなど、このコーナーは目もくれない。

 感心したのは、

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