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森友文書改ざん首謀者を国税ナンバー3に 財務省「能力・経験にふさわしい」

奥山 俊宏

 財務省理財局総務課長として森友学園との土地取引に関する決裁文書の隠蔽と改ざんを主導した中村稔(なかむら・みのる)氏がこの夏、英国公使から日本に戻り、今月23日付で国税庁審議官に就任した。正しい内容の税務申告書の提出を国民にお願いし、また、虚偽の税務申告書を取り締まる税務署や国税局を束ね、指導・監督する国税庁のナンバー3に、虚偽文書で国会や国民を欺くような人物を就ける人事が適切と言えるのかとの質問に対し、財務省は「人事異動は、職員それぞれの能力や経験に照らしてふさわしいポストに配置するものであり、その内容を、個別に、逐一説明することは控えさせていただきます」と返答した。

財務省・国税庁の庁舎
 23日付の財務省人事によれば、中村氏は財務省の内部組織、財務総合政策研究所の副所長から国際担当の国税庁長官官房審議官に就任した(注1)。国税庁は全国の税務署や国税局を束ねる財務省の外局で、中村氏は長官、次長に次ぐそのナンバー3の高官となった(注2)

 財務省が2018年(平成30年)6月4日に公表した調査報告書によれば、森友学園との土地取引の疑惑が発覚した2017年2月、中村氏は、政治家関係者との応接録を廃棄するようにとの指示を近畿財務局の管財部長や部下に伝達。さらに、決裁文書について、「政治家関係者からの照会状況の記載と、それまでの国会答弁との関係が問題となりかねない箇所については書き換えが必要である」と判断し、部下たちに改ざんを行わせた。中村氏は「一連の問題行為」にあたって「中核的な役割を担っていた」と指摘され、停職1カ月の懲戒処分を受けた(注3)

調査結果を発表する麻生財務大臣=2018年6月4日、東京・霞が関の財務省で

 中村氏は2018年6月4日に理財局総務課長から大臣官房付に更迭され

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