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《パロマ判決への反応》被害者母「過ちを改めて見つめ直して欲しい」

 被害者の母親、上嶋幸子(じょうしまゆきこ)さんは次のようなコメントを出した。

 

1. 裁判所が有罪であると認定したことにつき、ほっとしたというのが率直な気持です。

亡くなった上嶋浩幸さんの遺影を抱えて東京地裁に入る父正人さん(手前左)と母幸子さん(同右)=11日午後1時3分、東京・霞が関、細川卓撮影亡くなった上嶋浩幸さんの遺影を抱えて東京地裁に入る父正人さん(手前左)と母幸子さん(同右)=11日午後1時3分、東京・霞が関、細川卓撮影
 警察と検察が十分な捜査、立証をしてくれていたので、当然、予想していたことですが、小林被告人と鎌塚被告人は、無罪を主張していたので、万がーのことがないかと心配していましたが、安心しました。

2. 執行猶予がついたのは、残念です。
 有罪であっても、執行猶予がつく可能性が高いとは聞いていましたが、逮捕も拘留もされず、裁判でも無罪を主張し、浩幸をはじめ、たくさんの人が亡くなっていることについて、十分反省する機会を持たずに事件が終わってしまうかと思うと、大変残念に思います。

3. 小林被告人と鎌塚被告人の2人にとっては、今日は1つの区切りになったでしょうが、私たちにとっては、特別な日ではありません。亡くなった浩幸が帰ってこないということには、何の変わりもありません。

亡くなった上嶋浩幸さんの遺影を背に、会見で涙をぬぐう母親の幸子さん=11日午後5時27分、東京・霞が関の司法記者クラブ、細川卓撮影亡くなった上嶋浩幸さんの遺影を背に、会見で涙をぬぐう母親の幸子さん=11日午後5時27分、東京・霞が関の司法記者クラブ、細川卓撮影

 今日の結果は、浩幸にも報告しますが、何と言って報告すればよいのか、複雑な心境です。

4. 浩幸が亡くなった17年11月以降、パロマ製品は回収され、新たな被害者は判明していません。欠陥商品被害をなくす訴えを続け、消費者庁の設立も実現しました。
 そういった意味では、浩幸の命も無駄にはならなかったといえます。
 しかし、パロマが積極的に事故の再発防止のために活動しているとは思えませんし、小林被告人や鎌塚被告人の法廷での発言や態度は、パロマ製品から今後も事故が起こり続けるのではないかという不安を抱かせます。

5. 小林被告人と鎌塚被告人は、裁判所が有罪を認定したという意味をよく考え、自分たちの過ちを改めて見つめ直して欲しいと思います。