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2-5) 「三井物産副社長に中曽根事務所から呼び出し」

奥山 俊宏

 米国の大手航空機メーカーから総理大臣・田中角栄ら日本の政治家に裏金が渡ったとされるロッキード事件。この連載『秘密解除・ロッキード事件』では新たな資料をもとに新たな視点からこの事件を見直していく。第2部では、日米両政府の政治家がロッキードに便宜を図るために「天の声」を出し、関係者に「圧力」をかけようとした可能性を示唆する新たな資料に焦点をあてる。その第5回。

  ▽筆者:奥山俊宏

  ▽敬称は略しました。

  ▽この連載の   目次とリンク

  ▽この記事は岩波書店の月刊誌『世界』2011年2月号に掲載された原稿に加筆したものです。

 

 マクダネル・ダグラスの副社長フォーサイスが米国の大使館を訪ね、「ハイレベルの米政府の圧力」の話を持ち出したのは、田中角栄とリチャード・ニクソンによる日米首脳会談の19日後、9月20日のことだった。

 その際のフォーサイスの話によれば、「ハイレベルの米政府の圧力」の話は次のようなルートで伝わってきた、という。

 中曽根事務所

  ↓

 三井物産上級副社長

  ↓

 マクダネル・ダグラス


日米首脳会談の19日後に三井物産副社長が中曽根事務所に呼び出されて「ハイレベルの米政府の圧力」を告げられたという話を報告した駐日米国大使館公電

 三井物産はマクダネル・ダグラスの販売代理店であり、また

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