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2-7) ニクソン大統領は田中首相にロッキードの話をしたのか?

奥山 俊宏

 米国の大手航空機メーカーから総理大臣・田中角栄ら日本の政治家に裏金が渡ったとされるロッキード事件。この連載『秘密解除・ロッキード事件』では新たな資料をもとに新たな視点からこの事件を見直していく。第2部では、日米両政府の政治家がロッキードに便宜を図るために「天の声」を出し、関係者に「圧力」をかけようとした可能性を示唆する新たな資料に焦点をあてる。その最終回。

  ▽筆者:奥山俊宏

  ▽敬称は略しました。

  ▽この連載の   目次とリンク

  ▽この記事は岩波書店の月刊誌『世界』2011年2月号に掲載された原稿に加筆したものです。

 

 ■ロッキード裁判で争点に

全日空と日本航空による機種選定の発表について国務省に報告する駐日米大使館公電

 ハワイでの日米首脳会談で具体的なメーカーや機種の名前が出たかどうか、そして、首脳会談後に田中が全日空側に対してロッキードL1011トライスターの購入を勧める「天の声」を出したかどうかは、田中を被告人とするロッキード事件の裁判で大きな争点となった。

 検察官の

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