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JR西脱線事故、山崎前社長無罪 神戸地裁「危険性認識できず」《判決要旨》

 107人が死亡し、562人が負傷した2005年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本前社長の山崎正夫被告(68)の判決が11日、神戸地裁であった。岡田信(まこと)裁判長は「現場カーブで事故が起きる危険性を認識していたとは認められない」と判断し、無罪(求刑禁錮3年)を言い渡した。

神戸地裁に入るJR西日本の山崎正夫前社長=11日午前9時30分、神戸市中央区

 事故をめぐっては、山崎前社長の上司だった井手正敬(まさたか)元会長(76)ら3人の歴代社長が検察審査会の議決を受け、同罪で強制起訴されている。過失責任の構造は前社長の起訴内容と似ており、判決は年内にも始まるとみられる3人の公判に影響を与えそうだ。

 山崎前社長は安全対策を統括する鉄道本部長だった1996年12月、事故現場カーブが半径600メートルから304メートルの急曲線に付け替えられ、翌春のダイヤ改定で現場を通る快速電車が増加するなどして事故の危険性が高まったのに、自動列車停止装置(ATS)の整備を部下に指示しなかったとして起訴された。

 判決は「前社長は現場カーブの危険性やATS整備の必要性について周囲から進言を受けておらず、JR西には半径304メートル以下の急カーブが多数あった」と認定したうえで、ダイヤ改

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