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鉛板装着5人、口裏合わせも指示「カッターで防護服破いて差し込んだ」

ビルドアップ役員に単独インタビュー

 東京電力福島第一原発の復旧工事で、放射線の線量計「APD」を鉛カバーで覆って作業させた福島県の建設会社ビルドアップの役員(54)が22日、朝日新聞の単独取材に応じた。実際に鉛カバーを着けたのは自らを含む5人で、作業時間は30~40分だという。被曝(ひ・ばく)隠しが発覚しそうになった際の口裏合わせを指示していたことも明らかにした。

  ▽筆者:多田敏男、鬼原民幸

  ▽この記事は2012年7月23日の朝日新聞に掲載されたものです。

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 役員の証言により、今回の偽装工作の詳細な手口が判明する一方、動機や過去の経緯には不自然な点が残る。他の作業員の話と食い違う部分もあり、全容解明にはなお検証が必要だ。

 証言によると、役員は昨年11月30日に作業員の一部と鉛カバー12個を製作。同日夜、いわき市内の宿舎で「明日は線量が高いので鉛をつけて入る」と告げた。

 役員は翌日、高い線量が予想される現場近くの駐車場に止めた車の中で、自らの防護服の胸の部分をカッターで小さく切り、鉛カバーを差し込んで胸ポケット内のAPDにかぶせ、裂け目を透明のテープでふさいだ。その後、同じ現場を受け持つ4人にも自分にならって装着させた。原発から出る際のチェックで胸のテープに気づかれたら、「破れ

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