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3号機、高圧注水系が停止、1時間後の報告

(4) 3月13日午前3時52分から午前4時24分まで

奥山 俊宏

 福島第一原子力発電所(1F)が2011年3月11日に地震と津波に襲われたときから、東京電力は東京の本店と福島第一原発の緊急時対策室を専用回線で結んで、テレビ会議を開いてきている。その録音・録画の一部が東電本店で記者に限定公開されている。その内容をここに連載で紹介していく。その第4回。

  ▽まとめ:奥山俊宏

  ▽注:一部の音声が東電において「ピー」音で聴取不能とされており、また、「ピー音」がなくてもよく聞き取れない言葉があり、それらについては適宜「●●」や「○○」「peee」「piiii」などの表現で示しました。

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  ▽この連載の1回目の記事:   3月12日午後10時59分から午後11時13分まで 「『イラ菅』はとにかくよく怒るんだ」と武黒フェロー

  ▽この連載の2回目の記事:   3月12日午後11時13分から11時57分まで 震災翌日深夜「免震重要棟内で毎時70μSvの被曝」

  ▽この連載の3回目の記事:   3月12日午後11時58分から3月13日午前3時52分まで 水位計に惑わされて幻の「核燃料冠水」を発表

 

 3月13日午前3時52分、ふと思い出したような調子で福島第一原発の吉田所長が報告を始める(注1)。前夜に本店の首脳たちが「解散」した後も、吉田所長はほとんど寝ていない。

 

1F吉田所長:えっとですね、それからちょっと変わったことがあったんで連絡しますけど、3号機。

本店●●:はい。3号機。

1F吉田所長:はい。えっとですね、HPCIがですね、2時44分にで

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