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「秘密保護法で内部告発が萎縮」公益通報者保護法改正を要請

奥山 俊宏

 警察の裏金疑惑を内部告発した元警察官の仙波敏郎さん(64)ら「公益通報者が守られる社会を!ネットワーク」のメンバー4人が18日、特定秘密保護法の制定によって正当な内部告発が萎縮するおそれがあるとして、公益通報者保護法の改正を求める書面を担当の森雅子・消費者担当相らにあてて消費者庁に提出した。仙波さんは記者会見で「特定秘密保護法ができたことによって、警察組織などの不正は表に出にくくなると危惧している」と述べ、公益通報者に違法に報復した側への処罰や公益通報のための情報持ち出しの免責の明記などを盛り込んだ公益通報者保護法改正を呼びかけた。

記者会見する串岡さん(右端)、浜田さん(右から2人目)、仙波さん(右から3人目)、田中さん(左端)=12月18日午後5時45分、東京・永田町で
 要請書面に名を連ねたのは、仙波さんのほか、オリンパスの社内の企業倫理違反を内部告発した同社員の浜田正晴さん(53)、運送業界の闇カルテルを1974年に内部告発した元トナミ運輸社員の串岡弘昭さん(67)、自治労共済の違法行為を内部告発した田中純一さん(61)。18日、公益通報者保護法を所管する消費者庁の阿南久長官に書面を手渡し、また、同法と特定秘密保護法の双方を担当する森大臣にあてて同内容の書面を提出した。

 4人は以前から公益通報者保護法をより実効性のある法律に改正するよう求めて消費者庁に働きかけていた。4人は18日の書面の中で特定秘密保護法について「内部告発への萎縮効果が絶大である」と指摘し、「内部告発を萎縮する法律ができたのですから、内部告発が萎縮されることのないような立法対応、すなわち、公益通報者保護法の改正をすることは必須」と訴えた。「このままでは、社会をよくする目的で、公益通報者を保護するために制定された公益通報者保護法が、事実上死んでしまう」と問題提起した。

記者会見する田中さん(左端)、仙波さん(左から2人目)、浜田さん(右から2人目)、串岡さん(右端)=12月18日午後5時44分、東京・永田町で
 4人の書面は改正の具体的な内容として二つの点を挙げた。一つは「公益通報をしたことを理由に解雇や制裁人事行為等の不利益処分を違法にも行った事業者などの組織や国に対しての罰則規定を設けること」。もう一つは「通報事実や真実相当性等を立証するための情報持ち出し行為が、刑事上、民事上の責任を問われないように免責する規定」。特定秘密保護法による萎縮の危険性を少しでも軽減し、公益通報者保護法がその立法理念を維持するためにはそうした改正が必要だと4人は主張している。

 書面提出の後、4人はそろって記者会見し

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