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黒川検事長辞職 安倍政権の人事介入が招いた不幸な結末

村山 治

 あっけない幕切れだった。検事総長の座を目前にしていた黒川弘務・東京高検検事長が「賭け麻雀」報道を受けて辞職。7月末に定年で退官するとみられていた林真琴・名古屋高検検事長が急きょ、次期検事総長含みで黒川氏の後任になった。黒川氏の定年延長や検察庁法改正案に野党・マスコミばかりか「身内」の検察OBからも筵旗が立つ中での交代だった。林氏を次の検事総長にする人事は法務省がかねて構想したシナリオだ。大騒ぎの末、元に戻った格好だが、一連の騒動で浮上した「検察人事の政治からの独立」と「検察に対する民主的チェック」のバランスをどうとるか、という重い課題は残されたままだ。

●ツイッターの威力

国会前でプラカードを上げて検察庁法改正案に抗議する男性=2020年5月15日午後7時3分、東京都千代田区、恵原弘太郎撮影
 芸
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