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ひきこもり100万人説、必要な家族支援

斎藤環

斎藤環 精神科医

さきごろ内閣府は、半年以上家にとどまる「ひきこもり」の若者が、全国で推計69万6千人にのぼると発表した(2010年7月24日付朝日新聞web版)。これに加えて、「閉じこもって外に出ない人の気持ちがわかる」などと回答した「ひきこもり親和群」も155万人に上っていた。

 一般に、ひきこもり人口の全数調査は難しい。私は平成19年から3年間、厚労省のひきこもり研究班で分担研究に関わったが、この会議でも問題となったのは、ひきこもり人口の全数把握の難しさだった。結論から言えば、いまだに確実な方法はないに等しい。

 今回の調査は、回答用紙を届けたのちに再度訪問して回収するという手法で、回収率は66%と、かなり高い数字に上っている。しかしそれでも、どれだけ正確に実情を反映しているかについては疑問も残る。

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