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経営委員長の選び方を問う数土氏の辞任

川本裕司

川本裕司 朝日新聞記者

 兼任の是非を問われNHK経営委員長を辞任した数土文夫JFEホールディングス相談役が27日、東京電力の社外取締役に就任した。視聴者やNHKだけでなく、経営委員会内部からも批判を浴びた兼職問題は5月24日の経営委員長辞任で決着がついたが、数土氏の後任選びはメドさえついていない。今回の騒動では、海老沢勝二元会長時代から相次いだ不祥事を機にNHKに対する監督機能強化の目玉だった経営委員会のトップの見識不足がまたも露呈した。企業トップ経験者が就任しがちな経営委員長の選び方の再考が求められている。

 当初、数土氏は「放送法上、兼職は問題がない。NHKの報道に影響を与えるとは全く考えていない」と、兼任を貫く構えだった。兼職問題への世間の批判は強まるばかりだけでなく、足元では以前からその強い個性に対する不満の声が渦巻いていた。経営委員が個別の番組内容に介入することを禁じた放送法に抵触しかねない言動も指摘されている。

 経営委員会関係者によると、数土氏は昨年から今年にかけての経営委の席上、原発問題を取り上げるNHK番組について

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