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苦戦のソニー、スマホの新製品発表を見送り

米ラスベガスの家電見本市、スマートTVはグーグルのプラットフォームで

石川温 ジャーナリスト

ソニーが米家電大手ベストバイの店に設けたコーナー。4Kテレビを中心に販売の立て直しを図る=2014年6月、ロサンゼルス郊外ソニーが米家電大手ベストバイの店に設けたコーナー。4Kテレビを中心に販売の立て直しを図る=2014年6月、ロサンゼルス郊外
 毎年1月、電機業界はアメリカ・ラスベガスで開催される家電見本市「International CES」で幕を開ける。

 今年は、身の回りの機器に通信機能が搭載され、インターネットに接続されていくInternet of things(IoT)機器やクルマなどが注目を集めていた。

 CESは毎年、開催前に「プレスデー」として、日韓の電機メーカーが新技術を搭載したテレビを発表するのが恒例となっている。

 かつては「3D」「曲面」「4K」といった技術を競っていたが、今年は各社ともスマホ向けOSをテレビに載せるという取り組みを披露していた。

 「スマートテレビ」は2010年ごろも盛り上がりを見せていたが、失敗に終わっている。今回は、4K映像を扱える高性能なチップセットが登場し、さらにインターネット経由で4Kを配信するという動きもあることから、各社とももう一度、スマートテレビに本腰を入れているようだ。ソニーはグーグルの「Android TV」というプラットフォームを用いて、スマートテレビを開発していく計画だ。

 ソニーとしては、自社でテレビ用のOSを開発する余裕はないことから、グーグルのプラットフォームを活用しようとしている。もちろん、「Xperia」というスマートフォンを販売していることから、Androidに対するノウハウやグーグルとの良好な関係を活かせるという算段もあるのだろう。

 ただ、ソニーにとってコアと言うべきモバイル事業は、苦戦から抜け出せない状態になっている。

 昨年、年間出荷計画は5000万台であったが、2度の下方修正で4100万台まで減らすと明らかにした。不調を理由に社長も交代し、昨年11月から財務出身の十時裕樹氏が社長に就任している。

 これまでハイエンドからローエンドまで幅広い商品ラインナップであったが、

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