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テレビとスマホの連携でCM収入増加をめざす

関西のテレビ局が中心に開発したセカンドスクリーンサービス「シンクキャスト」

川本裕司 朝日新聞記者

シンクキャストを利用し北海道函館市を舞台にした案組の告知スポットで使い方を説明するアナウンサー=2014年3月、北海道放送からシンクキャストを利用し北海道函館市を舞台にした案組の告知スポットで使い方を説明するアナウンサー=2014年3月、北海道放送から
 関西の民放テレビ局が中心となって始めた「放送と通信の連携」をテーマにした研究会が活発に動いている。普及がすすむスマートフォン(スマホ)を手にしながらテレビを見る人を対象に、番組内容とスマホ画面をリアルタイムに連動させる実験を進めている。テレビの機能を高めるとともに、放送では把握できない視聴者の属性をつかみ広告収入につなげるのが最終目標だ。

 この団体は2011年12月に発足した「マルチスクリーン型放送研究会」。この年の7月、地上波テレビのアナログ放送が停波した。放送政策がキー局の系列単位でとらえられることが多いなか、視聴者にとってよりよいサービスは何か、地元の放送局が系列を超えて考えてみようと研究会設立につながった。

 毎日放送、朝日放送、テレビ大阪、関西テレビ、読売テレビの準キー5局や電通(関西支社)などの広告会社をはじめ、家電メーカー、放送機器会社など12社で結成した。その後は参加企業が広がり、放送局は一部のキー局を含め北海道から九州まで61局に達し、通信会社、システムベンダーを含め、2015年2月現在で計91社が加わっている。

 放送と通信の垣根が低くなる中、テレビ番組発の情報をインターネットの世界でも活用していくことについて各局が相乗りして協力することで一致。技術、デジタル、経営戦略など各分野の担当者が2週間に1度の運営委員会を開き、具体的なサービスやアプリの開発を進めた。CMの終わりによく登場する「詳しくは○○で検索」を、使い勝手よく実現させる手法の検討を重ねた。

 2014年2月には、番組の進行とシンクロして関連情報をスマホに表示させるセカンドスクリーンサービス「SyncCast(シンクキャスト)」の提供を始めた。視聴者に無料アプリをスマホにダウンロードしてもらい、そのアプリの画面に放送局から送る番組やCMの関連情報が表示されるシステム。2015年2月末までの1年余りの間に全国46局が自社制作の347番組で

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