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[3]300点超え! 羽生結弦、最上級の演技

青嶋ひろの フリーライター

 そして、フィギュアスケート史に刻まれるだろうその日はやってくる。

 2015年11月28日(長野・ビッグハット)、NHK杯フリー。この試合は、この試合での羽生結弦は、いったいなんだったのだろうか。

男子SPで演技する羽生結弦NHK杯でフリーの演技を終えて=2015年11月28日
 試合前、人々の興味の中心はやはり、「300点超え」だった。

 ショートプログラムの得点は、106.33。彼のフリーの自己ベストは194.08。それを出した昨年(2014年)のグランプリファイナルより難度の高いジャンプ構成で挑むのだから、パーフェクトならば軽々300点は超えてしまうだろう。

 「越えるかな?」「超えちゃうんじゃない?」「朝の練習も、すごく調子がよかった。転倒の多い最後のトリプルルッツがちょっと不安だけれど、ミスするとしてもルッツくらいじゃないか?」「ワンミスくらいなら、超えるんじゃないだろうか」

 羽生結弦、「やってしまうだろうな」という雰囲気。公式練習の様子や、彼の顔つき、滑り出す前の空気などで、我々もだんだんわかるようになってきた。

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