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日本ハム・大谷、2017年オフにメジャー移籍か

日本球界が生んだ最高の逸材に、米国でもかつてない注目度

出村義和 ジャーナリスト

CSパ最終シリーズ第5戦、九回表ソフトバンク2死、本多への投球で叫ぶ日本ハムの大谷=2016年10月16日、札幌ドームCSパ最終シリーズ第5戦、九回表ソフトバンク2死、本多への投球で叫ぶ日本ハムの大谷=2016年10月16日、札幌ドーム
 大谷翔平(日本ハム)のメジャー移籍が実現に向かって動き出している。日本では大々的に報じられているが、迎え入れることになるアメリカでも過去の日本選手とは比較にならないほどの報道量。しかも、「日本野球界が生んだスーパーヒーロー」「現代のベーブ・ルース」など、夢のような二刀流の使い手(two-way player)に対して最大級の形容を使い、センセーショナルに伝えている。

  大谷のメジャー志向の高さは日本ハム入団時から広く知られたことであり、移籍は入団の条件ともいわれていた。ここにきて移籍ムードが一気に盛り上がったのは昨年12月の契約更改時に、球団がポスティングシステム(入札制度)による2017年オフ以降の挑戦を容認したからだ。

  高卒4年目の昨季、大谷は投手として21試合に登板して10勝4敗、防御率1.86をマーク。打者としては104試合に出場、打率・322、67打点、22ホーマーを記録して、リーグMVPを獲得。日本シリーズでも大活躍をみせた。もはや、球団は10年ぶりの日本一に大貢献した選手を引き留める理由がなくなった。また、このまま成長を続ければ、2億7000万円まで跳ね上がった年俸も払い切れなくなるという現実も待ち構えている。

 焦点は移籍の時期だ。本人は「今は(連続)日本一を目指すことしか考えていない」と語っているが、移籍後を見据えてマネージメントを任せるプロダクションと契約を交わすなど、その準備が着々と行われているところをみると、今オフとみるのが妥当だ。

  しかし、米メディアの多くは19年以降にならなければ実現しないのではないかという見方をしている。その理由は5年ごとに見直されるMLB(メジャーリーグ機構)と選手会との間で取り交わす労使協定にある。昨年12月に改正されたばかりの新協定では主に中南米選手の青田刈りを防止するために、ドラフト対象となるカナダ、プエルトリコ選手を除く海外選手に支払える総額を1000万ドルと制限し、対象年齢を22歳未満から25歳未満に引き上げ、1年目はマイナーリーグ契約とする。

  また、プロリーグ所属6年未満の選手に支払える金額を474万ドルから575万ドルとした。つまり、一説には総額で3億ドルともみられていた大谷の契約金が新協定のもとで激減することから、米メディアの多くは22歳の大谷のメジャー移籍はあと3年延びるのではないかとの見解を示したのである。

  大谷は新協定についてコメントを求められても「今は日本一になることを目指している。

  あくまでも球団は自分の意思を尊重してくれている」と語り、踏み込んだ発言はしない。

  しかし、

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