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「共和国の娼婦」と呼ばれた女の捨て身の逆襲(下)――「私は韓国の図式に引っかかった」

小北清人

小北清人 朝日新聞湘南支局長

 著書ではそのほか、彼女が美術界で活躍していた頃は仲良くしていたのに、「学歴詐称の疑惑の人物」となったとたん、手のひらを返したように批判記事を書きだした女性記者たちのことも非難している。

 「セックスを武器に成り上がった」との疑惑を完全否定した彼女が、男女関係を赤裸々なまでに記したのがピョン元室長とのことだ。

 元室長と初めて2人で食事したのは2003年10月という。きっかけになったのは彼女と当時の盧武鉉大統領(退任後の09年に不正資金問題を追求され自殺)との「小さな縁」だったと彼女は書いている。彼女の母方の祖母と盧大統領が知り合いだったというのだ。

 「(祖母からシン氏のことを聞いた)盧大統領から突然会いたいといってきた。初めて会って以降、大統領は国民向けの談話や記者会見をするたびに、私の感想を聞きたいと連絡してきた。(ホワイトハウスの人間関係を描いた米ドラマ)『ウエストウイング』をDVDで見るようにといってきたこともあった」(著書から)

(彼女と盧氏の関係を盧氏の元側近は「まったく事実ではない」と否定)

 大統領との関係を意識してか、初めて2人で食事したときにピョン氏は彼女について、

 「自分が(シン氏を)お世話しなければならない立場」

 といい、笑ったという。

 2人の関係について彼女は、彼の地位を利用したことはなく、「純粋な愛だった」といっている。

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