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政治の病につける薬は?(上)

松下秀雄

松下秀雄

 最近は、「政治を取材している」と言うのが恥ずかしい。

 先日、ある外国人に国内政治の担当だと言ったら、「それは災害だね」と笑われた。日本の場合、政治そのものが災害だと言いたかったようだ。

 返す言葉がなかった。

 大震災から3カ月余り。いまなお4万人が体育館や公民館で暮らし、福島第1原発では放射能との戦いが続いている。

 なのに、与党議員まで呼応して「菅おろし」の大騒ぎ。辞めるといったと思ったら、今度はいつ辞めるのか、早くしろとまた騒いでいる。

 菅直人首相を弁護するつもりは毛頭ない。原発事故をめぐる情報開示の遅れなんて、ひどい話だと思う。けれども、菅さんが辞めればそれで解決するわけでもない。

 だいたい、責めたてている側も天につばするようなものだ。

 原発事故が「起きたあと」の対応を誤ってはならない。だが「起きる前」にぬかりなく備えていれば、惨事を避けられたかもしれない。事故の責任は、歴代の政権にかかわった各党、各政治家がともに負うべきだ。

 それでも足を引っ張り合う――。「政治の病」は膏肓に入っている。治療法を探さなければならない。

■けんかが止まらず大連立?

 これはどうかと取りざたされるのが、民主・自民両党の「大連立」だ。

離婚が決まっている「期限つき夫婦」?
 頭から否定するつもりはないが、私は首をかしげている。いがみ合う2人を無理やり結婚させたら、
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