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原発事故調は、政治インフラ整備の第一歩だ!

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 民主主義は、政治的要請である「民意」と複数の「専門性」(注1)のバランスをとることで運営できる政治システムだ。

 日本で「民主主義」という概念は、日本国憲法の制定によって戦後に導入された。しかし、その後も、戦前からの行政中心の政策形成や政治判断の仕組みが継続され、立法はあくまで政策や政治判断をチェックする役割を果たしてきたにすぎなかった。それは、立法が行政に依存し、国会議員が民主主義のもとで十分に本来の立法者(ローメーカー、Lawmaker)としての役割を果たしてこなかったということである。

 なぜそのような状況になったかといえば、戦後、民主主義の概念と枠組みおよび一部の制度(たとえば、普通選挙)は導入されたものの、民主主義を実質的に運営していくための政治インフラが十分に整備されてこなかったからである。

 この20年ぐらい政治主導や脱官僚などが叫ばれながらも、カラ回りして、それが実現していないのは、そのインフラの問題があるからだ。

 この観点からみたときに、最近非常に重要な出来事があった。

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