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マイノリティ化する真っ白な共和党は生き残れるのか?

高橋和夫 放送大学教養学部教授(国際政治)

 8月末に終了した米・共和党大会の映像を見ての最大の印象は、「真っ白」である。白いのである。参加者も檀上で演説する政治家たちも白人ばかりである。

 確かにライス前国務長官のような黒人の姿もあった。しかし、それは規則の存在を証明する例外に過ぎなかった。ビフテキにパセリが付いてきたとて、ビフテキが野菜料理にならないのと同じである。アクセサリーのように有色人種に、ときおり出番が与えられていた。

 共和党は白人の党であり、多数派の党である。最新の世論調査では、わずかな差ながらロムニー候補がオバマ大統領を支持率で追い抜いた。およそ9週間後の大統領選挙は、どちらに転ぶにしろ接戦が予想される。しかし、9週間後ではなく、9年後はどうだろうか。18年後はどうだろうか。長期で見ると、どうだろうか。

共和党の支持者の圧倒的多数は白人だ

 いつまでも、白人が多数派ならば、共和党にとっては問題がない。だが、そうだろうか。確かに白人は現在のアメリカの多数派ではある。

 しかし、その比率は確実に、着実に小さくなりつつある。1980年代には有権者の9割近くは、白人であった。現在では、その比率は75パーセント程度である。過去10年間にマイノリティの人口は3割も増えている。白人の比率が小さくなればなるほど、今の流れが続けば続くほど、共和党の支持基盤は狭くなっていく。このままでは、共和党は大金持ちとキリスト教原理主義者のみの政党になってしまうのではないか。

 なぜならば、共和党は

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