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新人議員も働かせるための仕組みをつくろう

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 11月16日、ついに衆議院が解散された。来月16日に衆議院選挙が実施される。

 最近、民主党への支持が急激に低下しているのは当然だが(注1)、自民党など既成政党への支持が今一つ伸びているとは言いがたい。

 他方、第三極の台風の目といわれる石原慎太郎氏の「太陽の党」と橋下徹大阪市長の「日本維新の会」は、17日に基本政策で合意したとして合併することを正式に決めた。この結果、最近は支持が下どまりしていた日本維新の会は、原発問題で太陽の党に妥協したとの批判も出ているが、支持をまた高める可能性が出てきた。

 日本維新の会は、小選挙区ではあまり勝てないだろうが、全体としてそれなりの議席を獲得することが予想される。同党の候補者は維新塾生など新顔が多いので、当選する議員は、国政の経験のない者が多くなるはずだ。これは、2005年の郵政民営化選挙で初当選した「小泉チルドレン(KC)」、2009年の政権交代選挙で当選した「小沢ガールズ(OG)」につながる「橋下ベイビーズ(HB)」の誕生を意味する。

 OGは、KCとよく比較され、質的には劣位だといわれた。HBは、基本的には、民主党の候補にも、自民党の候補にも、さらにみんなの党の候補にもなれなかった人材が多いといわれる。

 もしそれが本当なら、KCやOG当選後の混乱以上のことが起きるだろう。KCやOGの場合、各党の先輩議員などが講師となり、研修のようなものがおこなわれたが、その後彼らや彼女らが、一部の議員を別として、国会議員として十分に活躍したとは聞かない(注2)。

 よくよく考えてみると、以前は派閥が新人教育の役割を担っていた面があるが、現在はそんなこともないようだし、だれも教えてくれず、議員は自分で周りの様子を見ながら学んでいくのが基本のようだ。選挙に選ばれた人材なのだから、それでいいような気もするが、全く別の分野から来た新人議員が少しずつ時間をかけて学んでいくような時間的余裕は、本来国会議員にはないはずだ。当選したら一刻も早く活躍し、いい政策をつくってもらいたい。それは、多くの国民の望みであるはずだ。

 と、そんなことを考えていた折り、現在米国の首都ワシントンのシンクタンクで活躍している筆者の知り合いの横江公美さん(注3)から、「ヘリテージ ワシントン ニュースレター(2012年11月15日)」がメールで送られてきた。

 タイトルはなんと「新人議員研修始まる(注4)」。

 その記事によれば、

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