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選挙でネットを活用しよう!

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 先の記事(WEBRONZA「オバマ大統領の再選で考えたソーシャルメディアの可能性」)で、日本ではネット選挙がいまだ解禁されていないことを述べた。

 また別の記事(間違いだらけの候補者選びを改めよう!」で、国会議員の国会での活動がわかる書籍について紹介した(注1)。ただ、同書の情報だけでは、政党や議員の政策情報がわからない面もある。

 このようななか、政党や候補者の政策に関する情報を有権者に提供するためにネットがさまざまな形で活用されている(注2)。

 ここでは、有権者が候補者を選択する上で役立つと思われる情報をネットを中心に紹介していきたい。これらは、私たちと政党や候補者の政策的立ち位置の関係を考える上で非常に参考になる。

(1) 投票マッチング@日本政治.com

http://nihonseiji.com/votematches/

 本サイトは、衆議院の争点である消費税や年金などに関する質問に対して、「賛成」から「反対」までの5段階の中から回答を続けていくと、回答者に一番近い候補者や政党を教えてくれる仕組み。日本政治.comは、大学卒業したての若者が取り組んでいるものだそうだ。

(2) 日本版ボートマッチ

http://votematch.jp/

 最も近い政党がわかる投票支援ツール。公約分析の結果、重要と考えられる25の争点について、「賛成」「反対」「わからない」の中から選んでいくことで、回答者自身に近い政党がわかる。ネット規制や夫婦別姓といった各党が前面に掲げていない争点も取り上げている。佐藤哲也静岡大学准教授らが中心になった研究成果に基づいて構築されたサイト。

(3)毎日ボートマッチ(えらぼーと)

http://mainichi.jp/votematch/

 衆院選の争点に関する質問に回答すると、回答者と政党や候補者との考え方がどれだけ近いかを、「一致度」という数値で知ることができる。政党との一致度や、「選挙区」「比例代表」の立候補者との一致度を比較できる。

 本サイトは、毎日新聞社が実施している立候補予定者を対象にした「候補者アンケート」の結果を基礎データとしている。回答者が立候補者と同じアンケートに答えることで、政党や候補者との一致度が計算される。また候補者個人の全回答を見ることもできる。

(4) 朝日・東大谷口研究室共同調査@第46回総選挙:朝日新聞デジタル

http://www.asahi.com/senkyo/sousenkyo46/asahitodai/

 朝日新聞デジタルに設けられているサイト。憲法改正から外交姿勢まで35項目で、候補者の主張を比べられるようにしている。

 このサイトは、朝日新聞と東京大学谷口将紀研究室が衆議院解散直後から共同で実施したアンケートで集計したものに基づく。各党幹部の主張や、各党候補者の平均的な主張も一覧的に比較検討できるようになっている。

(5)過去の事例

 以前にも、政策比較サイト「マニフェスタ」など同様の試みがいくつかあった。

 http://www.policyspace.com/2005/10/post_461.php

 また、ネットを活用した選挙予測もされてきた。

 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000002235.html

(6) 言論NPOのマニフェスト比較

 言論NPO(http://www.genron-npo.net/)が、民主党、自民党、公明党、日本未来の党、日本維新の会の5党のマニフェストを5つの指標から、経済、財政、原発、外交など11の政策分野で評価。

・主要5党のマニフェスト評価:

 http://www.genron-npo.net/politics/genre/generaltheory/post-421.html

・2012年総選挙 マニフェスト評価 総論:

 http://www.genron-npo.net/politics/genre/generaltheory/2012-1.html

(7)Google 選ぼう 2012

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