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パキスタンでの学校襲撃事件に対抗しよう

紛争下での教育を守るガイドラインに世界的な支持を

土井香苗 国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表

 パキスタン北西部ペシャワールでの学校襲撃事件では、少なくとも145人が死亡しました。犠牲者の大半は子どもです。

襲撃から一夜明けた17日、学校の様子を見に来た教員のシャバナ・シャヒドさん=ペシャワル襲撃から一夜明け、学校の様子を見に来た教員のシャバナ・シャヒドさん=2014年12月17日、ペシャワル
 パキスタン・タリバンの卑劣ぶりはとどまるところを知りません。悲しいことに、今回の惨劇は、パキスタンだけでなく世界各地で起きている、学校への意図的な攻撃で頻繁に見られるパターンに酷似しています。

 「パキスタン・タリバン運動」(TTP)は、パキスタン軍が運営する学校を標的とした今回の襲撃事件を、北ワジリスタン地区の連邦直轄部族地域(FATA)で2014年6月から続く軍の攻撃への報復として正当化しました。

 今回の襲撃では、兵士が教室をひとつひとつ廻ったうえで子どもと生徒に発砲しています。タリバンのムハンマド・ウマール・ホラーサーニー報道官は、パキスタン軍が「我々の家族や女性たちを標的にした」と主張し、「その痛みを感じさせる」ための攻撃だと述べました。

 TTPは民間人の生命を歯牙にもかけない態度をとってきました。そうした組織の犯行とはいえ、2014年12月16日に起きた今回の襲撃事件は、不可解なまでに恐ろしく、無慈悲なものです。

 パキスタン政府軍と戦うTTPは、あらゆる武装組織は民間人を意図的、無差別、あるいは不均衡な攻撃にさらしてはならないと定める、国際人道法への違反行為を繰り返しています。2012年に女子教育活動家のマララ・ユスフザイ氏の頭部を銃撃したのもTTPでした。

 2009年から2012年にかけて、パキスタンでは

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