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米大統領選、クリントン家が「隠している」家族

突かれたくないウォール街との関係

高橋和夫 放送大学教養学部教授(国際政治)

 アメリカの大統領選挙で民主党の候補者指名を争うバーニー・サンダース候補は、ユダヤ人である。ライバルのヒラリー・クリントンはキリスト教徒である。この二人のどちらが、ユダヤ系市民の票を集めるのか、注目される。

 アメリカのユダヤ人は伝統的に民主党への支持で知られている。ユダヤ人の票もお金も大半が民主党の候補者へ流れる。

 富豪と呼ばれるユダヤ人の存在も知られている。その多くがヒラリー・クリントン支持である。

 たとえば為替への投資、見方によれば「投機」で、巨富を築いたジョージ・ソロスはクリントン候補へ多額の寄付をしている。映画監督のスティーブン・スピルバーグもクリントンへ多額の寄付をしている。

集会で、夫のビル・クリントン元大統領や娘のチェルシーさんらに囲まれるヒラリー・クリントン氏20160220夫のビル・クリントン元大統領や娘のチェルシーさんたち囲まれるヒラリー・クリントン氏。婿婿のメズヴィンスキー氏は不在だ=2016年2月20日、ネバダ州ラスベガスで
 このようにヒラリー・クリントンは、ユダヤ系の人々の支持を受けている。こうした支持はビル・クリントンが1992年の大統領選挙に立候補して以来続いている。

娘の婿が表舞台に出ない理由

 そしてクリントン家にはユダヤ人がいる。娘のチェルシーの婿のマーク・メズヴィンスキーである。

 しかしメズヴィンスキーが表舞台に出ることはない。まるでスポット・ライトを避けているかのようである。あたかも闇が光を避けるようにである。

 なぜ、この人物は出てこないのだろう。

 家族や親戚を周りにそろえて、候補者の人間味をアッピールするというのは、アメリカの選挙の常道である。共和党の指名を目指すトランプ候補などは、これが効果を表している。本人の性格は下品でも娘が美人なので、ひょっとすると、それほど酷くないのではと思わせる点もある。

 それなのに、なぜクリントンの娘婿は出てこないのか。

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