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[2]上空から見るシルクロードの今

伊藤千尋 国際ジャーナリスト

飛行ルートはまさにシルクロードの上空

 シルクロードの旅で乗り込んだのはウズベキスタン国営航空の直行便だ。週に2便ある。東京からウズベキスタンの首都タシケントまで6030キロ。成田空港を午前11時5分に出発して、午後4時35分には目的地に着く。

 とはいえ時差が4時間あるので飛行時間は9時間半もある。機中は寝たいところだが、寝るわけにはいかない。飛行機の航路はそのままシルクロードの上空に重なる。昼間の飛行だから、うまくすれば上空からシルクロードを眺めることができるかもしれない。

 成田空港を飛び立ったボーイング767型機は富士山の北から日本アルプスを北上して富山湾に抜け、日本海の岸に沿って西南に飛んだ。

 進路を変えたのは島根県の宍道湖を過ぎたところだ。ここから日本海上空に突入した。北緯35度を真西に飛ぶ。そのまま行けば中国の西安の上空だ。かつて唐の時代にシルクロードの東の起点だった長安である。飛行ルートはまさにシルクロードの上空をなぞっている。

上空から見た蛇行する黄河上空から見た蛇行する黄河=撮影・筆者
 中国大陸をぐんぐん奥深く進入する。眼下の大地は真っ平らだ。一面、見渡す限り水田が広がる。その上を1枚の幅広い布がたなびくように、曲がりくねった茶色の大河が流れる。黄河だ。

 いくつもの支流を飲み込みながら大きく蛇行する。航路表示は、目的地まであと3548キロを示す。同じような風景が延々と続き、しだいに緑は絶えていった。

玄奘が歩いたルートを目にしながら

 離陸からちょうど4時間。地面は赤茶けた黄土色になった。ゴビ砂漠だ。

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