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[60]前川喜平氏の中学授業と原一男監督の矜持

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

夜間中学、もっと増やそう 運動の教師ら全国集会/奈良県 夜間中学増設を求める集会で話す前川喜平氏=2017年8月、奈良市
11月14日(火) 午前中、局で定例会議。「図書新聞」の原稿校正。世の中は大相撲・日馬富士の暴力事件の報道に大々的に乗り出そうとしている。なぜか。加計学園グループの獣医学部新設が認可される。林芳正文科大臣の記者会見を聞いていたが、記者たちの追及も今一つ迫力を欠いているように感じる。なぜか。

 夕刻、神保町界隈で鼎談。その後に神保町Yに顔を出してよかった。店主の娘さんがフランス人の彼氏をともなって来店。うらやましい限りの仲睦まじきカップル。

自主夜間中学の授業は驚きの連続

11月15日(水) 午後一番でSさん。長時間話をする。夕刻、久々にOと会食。それぞれがそれぞれの道を歩んでいる。当たり前のことだ。

 原一男監督との対談のため、本当に何十年ぶりかで氏の作品『極私的エロス・恋歌1974』をみる。すさまじい作品である。独力での出産シーンや、沖縄のAサインバーで働く主人公の女性のいる光景。生々しい。そして、そこで語られている言葉の何と観念的なことか。「あなたと対峙しているわけよ」。こういう言葉を発していた時代が確かにあった。

 前川喜平さんとコンタクト。あした、神奈川県厚木市での自主夜間中学の授業を撮影させてもらったあとに、加計学園の獣医学部認可をめぐって話を聞くことになる。

11月16日(木) 正午前に本厚木近くでTディレクターら取材クルーとドッキング。厚木の商店街の一角にある小さな集会場で、自主夜間中学の授業が行われている。その教室にお邪魔して驚きの連続。

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