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コロナ危機で政治家の働き方も変わる。選挙もまた……

本会議には半数の議員が出席。陳情もテレビ会議で。選挙戦はどうなるか

岸本周平 国民民主党衆院議員

 新型コロナウイルスの感染拡大で、社会、経済、文化、スポーツなどさまざまな“景色”が一変しています。私たち政治家も例外ではありません。国会での働き方、ふだんの生活、そして私たちにとって大事な選挙も大いに様変わりしています。

 どんな風に変わったか。ご紹介したいと思います。

衆院本会議の討論は半数の議員が出席

新型コロナウイルス感染防止のため、出席議員を減らして間隔をあける衆院本会議=2020年4月14日

 2009年の衆院選で民主党から初当選したとき、当時の国会対策委員長にこう言われました。

 「秘書の皆さんが諸君の代理をする場面は多々あります。しかし、本会議と委員会の出席だけは国会議員でなければできません。肝に命じて国会に出てくるように」

 今、本会議では「3密」を避けるため、討論の際、毎回、議場に出るのは半分の議員だけで、残りの議員はそれぞれ自分の部屋でテレビ中継を見ています。討論が終わり、議長が「10分後に採決します。」と宣言すると、ぞろぞろと議場に向かうのです。議席番号の奇数、偶数で出欠を分けています。

 委員会も同じです。討論の際には自室でテレビ中継を見ていて、採決の時間を見計らって委員会室に向かいます。アメリカの議会では、一定の幅の時間帯に、議員本人が議場に行って賛否を明らかにしていますが、議院運営委員会ではこのような方式も検討されているようです。

 参議院の本会議では、既に押しボタンによる採決が導入されています。一歩進めて、インターネットを使った電子投票なども早急に実現すべきではないでしょうか。

政党の会議、議員連盟はテレビ会議で

 政党でおこなう会議は、ほとんどがテレビ会議方式です。野党共同会派の政策的な部門会議も、原則としてテレビ会議で開かれます。私が所属する国民民主党の役員会もテレビ会議方式で行ったときもありますが、最近は新型コロナ対策などについて協議するため、臨時に集まらなければならないことも多く、「3密」にならないように配慮してリアルな会議をしています。

 超党派でつくる議員連盟は通常、国会会期中は頻繁に開かれるものですが、最近はよほど重要な案件がなければ開催されません。私が入っている議員連盟では、政治家は会議室に集まりますが、ヒアリングでお呼びすべき関係者の皆さんには、テレビ会議で参加いただくようなやり方をしたこともあります。

 ただ、今は政治家も含めてテレビ会議方式でヒアリングを行うことが多くなってきました。あらかじめ資料を共有しておけば、実際に集まらなくても、とりたてて困ることもありません。

地元の陳情もテレビ会議で

 私自身の個別の打合せやヒアリングも、たいていはテレビ会議方式で行っています。また先日は、毎年恒例の地元和歌山の共同作業所の皆さんからの陳情もテレビ会議で行いました。和歌山から東京までかかる移動時間や決して安くはない旅費などが節約できることを考えると、この方式はコロナが終息して後も、自然と使われていくことになるでしょう。

 巷ではテレビ会議システムを使った“オンライン飲み会”が盛んなようですが、私もこうした「飲み会」に参加したことがあります。最初はおっかなびっくりでしたが、慣れてみれば、リアルな飲み会同様、情報交換の場としてけっこう便利です。うだうだと長時間になって飲み過ぎるおそれがあることも、リアル飲み会と同じです。

政治家同士のオンライン会合は可能か

 ただ、政治家同士で機微に触れる政局の話を、オンラインでできるかどうかは、まだ試していないので分かりません。

 昔、自民党のある長老議員に諭されたことがあります。

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