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自民党は誰が総理大臣になっても変わらない~小川淳也

古賀茂明×野党若手政治家(2)

古賀茂明 元経産官僚

 自民党総裁選の影に隠れて、野党は埋没するばかり。立憲民主党と国民民主党が合流して、せっかく新党が誕生するのに、このままでは来たる総選挙でまたもや太刀打ちできないのではないか――。
 そんな危機感を募らせる元経産官僚の古賀茂明さんが、野党の新世代の政治家に奮起を促すインタビューシリーズ。第2弾に登場するのは、小川淳也衆院議員です。ドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』で、その愚直な政治姿勢が共感を集めた話題の政治家です。
 合流新党の代表選へ「若手代表」として出馬を促す古賀さんに、小川議員はどうこたえたのでしょうか。(論座編集部)
小川淳也(おがわ・じゅんや)

1971年香川県高松市生まれ。衆議院議員5期目。高松高校、東京大学法学部卒業。1994年自治省入省。沖縄県庁、自治体国際化協会ロンドン事務所、春日井市役所などを経て、2003年民主党より香川県第1区にて立候補するも惜敗。2005年初当選。2009年総務大臣政務官、2017年民進党役員室長。著書に『日本改革原案 2050年成熟国家への道』(光文社)
 

《動画のワンポイント解説》

 野党新党の使命は? 小川さんはズバリ「批判野党」から「政権の受け皿政党」に転換することだと言います。

 安倍政権は「政権を私物化」しました。これに対し、「公平でフェアな私利私欲のない政権を作る受け皿になりたい」と、小川さんは強調します。そのためにも「民主党政権の反省、挫折、失敗を引き取る覚悟をもって出発したい」と言うのです。

 ならば、立憲民主党の枝野代表がすんなりと新党代表になるのを見過ごしていいのか、新世代の野党政治家たちは、党員投票を含む本格的な代表選の実施を求め、枝野代表に挑むべきはないか、小川さんはその先頭に立つ覚悟はないのか――古賀さんはそう迫ります。

 ここで、小川さんは困ります。

 ドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で描かれたのは、地元の衆院香川1区で自民党候補に敗れる小川さんの姿でした(比例復活当選)。小川さんは「私自身はまず選挙区当選が先決という気持ちはある。それをベースにしながら判断していきたい」と、慎重に言葉を選びました。

 小選挙区で敗れた政治家は、野党の「首相候補」を選ぶ代表選に出馬できないのでしょうか。古賀さんは「もちろん小選挙区で勝つのは大事だし、自分に厳しいのは立派だが、『小選挙区で勝ってから』と言っている場合ではない。そのくらい日本は危ない」と奮起を促しました。

 小川さんは最後に、代表選を通じて野党全体を活性化することが大事と応じたうえ、「自民党総裁選で誰が総理大臣になっても安保法制は見直されないし、モリカケサクラの公文書は出てこない。PCR検査の大幅拡大もおそらくはなされない。誰が総理になっても変わらない。だからこそ我々がしっかりしなければならない」と強調しました。(論座編集部)