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<3・11>から10年。双葉町からの生中継

[232]沖縄・具志堅隆松さん、双葉町・鵜沼久江さん、リコール署名偽造問題……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

3月3日(水) プールへ行きひたすら泳ぐ。山田真貴子内閣広報官の後任に外務省の副報道官だった小野日子(ひかりこ)氏。

内閣広報官に決まった小野日子氏内閣広報官に決まった小野日子氏

 「神奈川大学評論」の原稿校正。「VERY」の原稿チェック。愛知県大村知事リコール署名偽造事件。近畿財務局の赤木さんの件。沖縄の具志堅さんのハンガーストライキの件。取り組まなければならないことが押し寄せてきている。何から何までカバーすることは不可能だ。おのずと優先順位ができてしまう。だがその順位はいつでも常に変わる。

 具志堅さんを支援する宗教者の方と連絡をとって、あしたの動きを調整。これは現地で取材しなければならないネタだろう。この件は「Stars and Stripes(星条旗新聞)」や「月刊住職」「The Nation」などが記事にした、あるいは、記事にしようとしている。

 「週刊文春」の早刷りが出回る。今週号も、NTTによる高額総務省接待をぶち上げている。「文春砲」などと他人事のように賞賛し続ける気にはなれない。文春記事のターゲットには、谷脇前審議官や山田前広報官が含まれている。谷脇氏は「東北新社以外に接待はなかった」などと、なぜ見え透いたウソを国会でついたのだろうか。文春のソースが気になる。諸説あるけれど、接待の中身が詳しすぎて、官庁の内部に近い筋との解説をのたまう人あり。

神聖な場所からすぐ近くで土砂を採掘しようとしている

3月4日(木) ミャンマーで流血の事態。朝のNHK・BS1の世界のニュースで、シンガポールのTVニュース(CNA)が、ミャンマー国営テレビの報道姿勢を激しく非難していた。スーチー女史解放以前のミャンマー国営テレビも同様の状態だったことを、シンガポールのベテラン記者がきちんと解説していた。

NHK・BSの世界のニュースで、シンガポールのTVニュース(CNA)NHK・BS1で紹介されたシンガポールのTVニュース(CNA)=撮影・筆者

 早朝の便で沖縄へ。南部戦跡の土砂を辺野古基地建設工事の埋め立てのために使う沖縄防衛局(日本政府)の計画に抗議して、3月1日からハンガーストライキに入っている具志堅隆松さんの取材のためだ。

 10時10分に那覇空港に到着。すぐに気心の知れた地元プロダクション「サット」のカメラクルーと合流。ただちにハンストの行われている沖縄県庁前へと向かう。あったかい。ちょうど午前11時から、東京の日本外国特派員協会(FCCJ)とZoomを使った記者会見が始まるところだった。そのため、具志堅さんらは沖縄県庁内の記者クラブにすでに移動していた。ハンガーストライキの「現場」である屋外からオンラインで結べばいいのになあ、と余計なお世話を焼いてしまった。というのも、大勢の人たちが具志堅さんの行動を支持して県庁前に駆けつけていたからだ。

 具志堅さんは、「ガマフヤー」という、沖縄戦犠牲者たちの遺骨収集作業を39年にわたって続けてこられている。全く無償のボランティア活動である。沖縄本島の南部戦跡一帯からは、今現在でも多くの遺骨がみつかっている。沖縄戦から76年もたっているのに、だ。メディアがたくさん取材に訪れていた。具志堅さんに話を聞く。「辺野古基地建設に反対か賛成か以前の人道上の問題です」「日本、沖縄、朝鮮半島、アメリカ兵の遺骨問題でもある」。

=撮影・筆者「ガマフヤー」の具志堅隆松さん=撮影・筆者

 県庁内で関連取材。その後、信頼している北上田毅さんと合流して、糸満市米須の問題の土砂採掘予定現場へと同行・案内していただく。何とあの南部戦跡のシンボル的な存在である慰霊碑「魂魄の塔」

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