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原発防災にプランBは欠かせない

北野宏明

北野宏明 ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長

原発の安全性をめぐる議論が熱くなっている。同時に、安全対策を講じて再稼働する準備も進んでいる。福島第一原発の事故を契機に、今までの安全基準が見直されるのは当然の動きである。しかし、どのような対策をとっても完全はあり得ない。そもそも、いままで「原発は絶対安全」と言い続けてしまった誤謬が、ここでのしかかってくる。新しい対策を施して「これで安全」と言っても、もはやそれを信じる人は少ないであろう。

 そもそも、工学システムを理解する人間なら「原発が絶対安全」という主張は、嘘であることは常識的に理解できる。事故の確率を非常に少なくなるように努力をすることはできるが、事故が起こらないことを証明し、実際に達成することはできない。これは今後も変わらない。

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