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被団協が原発を見限るまでの道のり

高橋真理子

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が結成から55年を迎えた今年、初めて「脱原発」の方針を打ち出した。被爆者のただ一つの全国組織は、1956年の結成宣言で「破壊と死滅の方向に行くおそれのある原子力を決定的に人類の幸福と繁栄との方向に向かわせるということこそが、私たちの生きる限りの唯一の願いであります」と訴えた。核兵器廃絶を強く求めつつ、原子力の平和利用は進めたい、という思いが結成時にはあった。その基本姿勢が55年を経て変わった。8月23日に日本記者クラブで会見した田中熙巳事務局長の話から、その道のりを辿ってみたい。
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