尾関章
2011年08月29日
だが、この特許は、抜け穴もいろいろありそうだ。生命現象にかかわる技術は、設計図に従って一から組み立てる機械とは違って、すっきりとは知的財産権で押さえにくいという事情がある。ただ、公的な大学が特許をもつということは、一つの企業が技術を囲い込むという事態を避けることにはなるだろう。その意味では、京大が特許をとったことよりも特許をとられずに済んだことを前向きにとらえるべきかもしれない。
そもそも今回、米国で成立した特許は、きわどいたたかいの果実だった。このあたりの事情は、今月に出たばかりの『iPS細胞とはなにか』(朝日新聞大阪本社科学医療グループ著、講談社ブルーバックス)にくわしい。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください