北野宏明
2011年09月08日
3・11以降、極めて多くのグループが立ち上げられ、被災地への支援や今後の復興、原発問題、エネルギー問題などの議論が行われ、具体的な行動に結びついたことも多い。これらのグループのメンバーの多くは、ネット上だけで知り合い、思いをともにした人々である。この人々を結びつける力は従来の一方向性のメディアにはなかった特徴である。
原発事故に関連しても、ほとんどの有用な情報はインターネット上から得たものであった。FBやTwitterに加え、UstreamやYouTubeは非常に役に立った。これらの情報をもとに自ら冷静な解釈と判断のできる人や、そのような人とSNSでつながっている人々にとっては、インターネットからの情報をもとに判断するのが、最も迅速で正確な方法であったと考えられる。
人々を結びつける力という側面を見せつける出来事は、海外で起こった。去年の年末以来、チュニジアの「ジャスミン革命」をきっかけに、北アフリカと中東諸国に広がったいわゆる「アラブの春」は、「フェイスブック革命」と呼ぶこともあるように、いままでではあり得ない力を人々にもたらしている。一部には、日本でもジャスミン革命のような大きな運動が引き起こされないかと期待する向きもある。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください