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論文誌ビジネスめぐる「反乱」 ~囲い込まれた学術情報

内村直之 科学ジャーナリスト

 「反乱」は、一人の英国人数学者のブログ記事から始まった。約2,500誌の学術論文誌を発行している巨大出版社エルゼビア社に対し、約6200人もの学者たちが同社の営業姿勢を批判し、その雑誌への投稿、審査、編集を各自の事情に合わせながらボイコットする意思を示している(2月17日現在)。この運動の先行きはまだ明らかではない。このWEBRONZAで、先に私は、大出版社による学術論文誌の電子化は、人類の共通財産であるはずの学術情報を一部に囲い込み、一般人のアクセスを難しくする方向に進んでいるのではないかという一文を書いた(12月23日付「囲い込まれた『学術情報』を開放せよ」)。折しも、アカデミズムから「論文誌ビジネス」の現状を批判する声が出てきたことになる。「学問の成果」とはいったいだれのものなのだろうか、ということを考えてしまうのである。
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