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電子書籍が売れない本当の理由

久保田裕

「いよいよ電子書籍の時代がやってくる」というかけ声だけは、出版業界から毎年のように聞こえてくる。だが動きそうで、なかなか動き出さないのが、日本の電子書籍業界。4月に入ってからだけでも、電子書籍専用端末「キンドル」を販売するインターネット通販最大手のアマゾンが、日本の大手・中堅出版社40社以上と配信契約を交わしたとか、岩波文庫やネット通販大手の楽天が、電子書籍にいよいよ乗り出す、といったニュースが流された。

 今度こそ、日本の電子書籍は離陸できるのだろうか? 筆者には、またあまりうまく行かないのではという気がしてならない。それは、とても大事な話が抜けたまま、電子書籍化談議が進んでいるからだ。

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