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STAP「現象」存在の可能性は高い

武村政春 東京理科大学准教授(生物教育学・分子生物学)

STAP細胞論文問題に関する理化学研究所の最終報告会を受け、不服申し立てを行った小保方晴子さんが、弁護士と共に大阪市内で会見を行った。私はニコニコ生放送ならびにユーストリームで記者会見を見た。おびただしい数の報道陣が会場からあふれんばかりである。はたしてこの中に、純粋な科学的真実に興味を持っている人間がどれだけいるのだろうか。1月末、あのような大々的な記者発表をしなければこんな大騒動にはならなかったろうにと思いながら、私はPCの前に座っていた・・・この感想は、前回のWEBRONZAの記事の時と同様である。

 しかし、一つだけ違うことがあった。それは、STAP細胞(STAP細胞とSTAP幹細胞という二つの細胞があるが、本記事ではまとめて「STAP細胞」という)、いやSTAP「現象」が存在するかどうかに関して、「存在する可能性はやはり高い」という思いに捉われたということである。ただしそれは、彼女の記者会見での、あの「あります!」という口調に共感を覚えたからではない。

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