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IoT(物のインターネット)の真の意味

単なるブームではなく、想像を絶する革命である

山下哲也 エバンジェリスト、山下計画(株) 代表取締役CEO

 あらゆるものがインターネットに接続され、情報交換を可能とするIoT (Internet of Things) が、IT業界を中心に注目が集まっている。だが、その真の意味が理解されているとは言い難い。

 たとえば、エアコンや冷蔵庫といった家電を闇雲にインターネットにつなげるようなものだとする短絡的な見方も多い。また、IT業界の一過性の技術トレンドに過ぎず、自分の仕事や生活には関係ないとみなす向きもある。

  しかしIoTは、高度情報化が進むこれからの社会全体を対象とし、例外なく全ての人に影響を与える重大な流れである。IoTのT「Things」にはあなた自身が含まれ、そしてIoTはもう始まっているのである。

 いや、私はパソコンもインターネットも使わないし、スマートフォンも持っていないという方も少なくないだろう。しかしそれは、単にあなたがITを意識していないということに過ぎない。現代社会に暮らす限り、誰しもが何らかの形でITに依存した生活を送っている。店先に並ぶ多様な商品の製造や配送、鉄道やバスの運行、銀行の口座管理、電気・水道・ガス・電話等のインフラ、医療や教育と、日々のあらゆる活動はITにより支えられているのが現実だ。

 無意識のうちに利用できているITがIoTの形態へ移行したからといって、何も問題はないと見る向きもあるだろう。しかしIoTは、情報の形を決定的に変化させる。残念ながらその未来は今の延長線上にはない。好むと好まざるとにかかわらず、私たち全員が世界観の大幅な修正を迫られることになる。

IoTが変える情報の形

 IoTは情報の形をどのように変えるのだろうか。

 これまでのITのほとんどは、

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