観光客の増加で年中繁忙期の京都、竹の表面に刻まれる横文字の落書き
2017年12月01日
平日にもかかわらず、名刹名庭はどこも人で溢れている。紅葉のシーズンになると「見どころは?」「穴場は?」の問い合わせが絶えない。以前ならば、早朝に名だたる古刹へ行かれることを勧めていた。たとえば開門6時早々に東山から朝陽の差す清水寺を詣でたり、南禅寺のような禅寺ならば、朝靄の中を托鉢に向かう修行僧と出くわしたりと、紅葉の彩りのもと、自分だけの清澄な一瞬に出会えるからだ。
ところが、昨今ではその裏技が通じない。はやばやと朝から観光客で賑わい、俗塵に塗れている。ひとりだけの紅葉観賞といった贅沢な時間はどこにもない。
日々暮らしていても、京都という土地は馴れることがなく、日常の当たり前にならない。なんて神秘的なのだろうと心奮える場面が其処此処にある。なのに、この頃ではヒト疲れで終わってしまうことがよくある。
なんといっても嵐山に遊ぶ人の多さには驚いてしまう。先日も雑誌の取材で天龍寺に伺ったが、亀山を借景とした曹源池庭園も人だらけ。方丈の広縁も各国のことばが飛び交い喧しい。いつからか京都には閑散期というものがなくなった。
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