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 個人情報の保護をたてに、共通番号制度の導入をつぶしてしまえば、喜ぶのは「脱税派」である。所得再分配などしたくない、貧困層は自己責任で問題を解決せよ、と考えている一部の富裕層の人々も喜ぶだろう。あえて極論ふうに言ってしまうと、こうなる。

 そういうことになってはいけない。だがもちろん、個人の権利が不当に損なわれるような情報流出がないようにしなくてはいけない。要するに答えは、個人情報保護に細心の注意を払いつつ、共通番号制度を導入する方策を国民的議論のうえに、納得ずくで決めていくということである。

 あれやこれやの、もっともらしい理屈を並べて「番号制=悪」と決めつけるような論理は、結局のところ、番号制を導入されては困るような人々の利害のお先棒をかつがされるという構図を、多くの人々は理解すべきである。

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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

ジャーナリスト、上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で取材。論説委員、編集委員を経て2014年から現職。著書に『財政構造改革』『消費税をどうするか』(いずれも岩波新書)、『デフレ論争のABC』(岩波ブックレット)。監訳書に『危機と決断―バーナンキ回顧録』(角川書店)

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