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終身雇用という民営化社会保障の限界

城繁幸

城繁幸 「Joe's Labo」代表取締役

 失業率という点では、日本は今でも世界経済の優等生だ。先進各国が失業率10%近くをうろうろする中、(日本にしては高止まりしているとはいえ)5.1%と相対的に落ち着いている。あえていえば過去最低の新卒内定率57.6%(10月1日時点)という数字が目を引くくらいだ。

 では日本経済が世界の中で一人勝ち状態かと言えばむしろ逆で、新興国は言うに及ばず、リーマンショックの震源地アメリカですら金融危機前の株価水準に回復する中、日経平均だけは2割以上下回ったままだ。この奇妙な安定をもたらしているものとは何だろう。

 問題の核心は、日本独自の社会保障制度にある。日本の社会保障の柱は、終身雇用という形で永く企業に丸投げされてきた。再就職支援も職業訓練も、そして失業中の生活保障も、企業に終身雇用さえ命じておけば安く抑えられる。いわば、社会保障の民営化だ。

 ただ、この民営化社会保障には致命的な欠陥がいくつかある。まず、企業もボランティアでやっているわけではないので、優秀者しか採用しない(つまり社会保障の対象としない)。結果、能力による格差が広がってしまう。

 そして、

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筆者

城繁幸

城繁幸(じょう・しげゆき) 「Joe's Labo」代表取締役

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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