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東京電力の決算はウラまで読め(3)―読めない廃炉費用

松浦新

松浦新 朝日新聞経済部記者

拡大会見する新社長に決まった西沢俊夫常務(右)と清水正孝社長=5月20日午後4時47分、東京都千代田区の東京電力本店
 「1兆円の損失」が強調されて伝えられた東京電力の決算だが、その実態は十分に開示されなかった。「継続企業の疑義」は損害賠償についてで、放射能汚染で膨大な費用がかかるとみられる廃炉費用については「追加情報」で触れただけ。純資産は1.6兆円もあることになっている。監査法人の「意見表明」に注目したい。

 東電が20日に公表した決算は、想像以上に中身が薄いものだった。

 早々に「損失は1兆円」と伝えられていたので、純資産が1.6兆円残ることは想定の範囲内だが、今後見込まれる損失について、もう少し説明があると期待していた。

 このシリーズ1回目で、一番の焦点は廃炉費用だと書いたが、決算短信で示された廃炉にともなう損失は1~4号機の合計で「458億円」だった。

 これは、事故を起こしていない原子炉を解体・廃棄する費用として想定されている金額から計算されたものだ。東電によると、その合計額は1867億円で、これまでに積んだ引当金で不足する額を、今回処理したのだという。

 1回目に書いたように、事故を起こした炉を4基もまとめて処分するためには数兆円はかかるというのが専門家の見方だが、この点を記者会見で聞くと、何度も質疑のやりとりをしたあげくに、

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筆者

松浦新

松浦新(まつうら・しん) 朝日新聞経済部記者

1962年生まれ。NHK記者から89年に朝日新聞社に転じる。くらし編集部(現・文化くらしセンター)、週刊朝日編集部、オピニオン編集部、特別報道部、東京本社さいたま総局などを経て現在は経済部に所属。共著に社会保障制度のゆがみを書いた『ルポ 老人地獄』(文春新書)、『ルポ 税金地獄』(文春新書)、『負動産時代』(朝日新書)などがある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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