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日本の「失われた20年」、成熟段階と考えよう

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 日本経済は1956年から73年までは平均9.1%の高度成長期、そして74年から90年までの平均成長率4.2%の安定成長期を経て1990年前後から成熟段階に入っている。

 1990年から2011年までの20数年間の平均成長率は0.9%と1.0%を切るに至っている。論者によってはこの時期を「失われた20年」等と呼んでいるが、筆者はそうは思っていない。日本経済が成熟し、高い生活水準を維持しながら成熟段階に入ってきているのだ。

 GDPや一人当たりGDPの国際比較は為替レートによって大きく左右されるが、日本の一人当たりGDPは1987年にアメリカのそれを上回り、2000年までそれが続いている。円安の進行とともに日米の関係は逆転したが、2012年の時点で日本の一人当たりGDPは欧州先進国のそれを上回っている。

 購買力単価の一人当たりGDPでは2014年でも日本のそれはアメリカに次いで高く、欧州先進国のそれを大きく上回っている。いずれにせよ、1990年前後から、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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