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佐野サービスエリアのストライキが問いかけるもの

「ブラック企業」と闘う労働現場の創意工夫

鈴木剛 全国コミュニティ・ユニオン連合会 会長/東京管理職ユニオン 執行委員長


拡大プロ野球スト突入で、入場口の前に立つ警備員=2004年9月18日、神戸市須磨区のヤフーBBスタジアム(現ほっともっとフィールド神戸)

法律が先にあるのではない。運動が先にある

 この事件は、たちまちメディア上の話題となり、テレビのワイドショーでも報じられることになった。しかし、多くの当初報道は、上述したような労働現場の実態や経営状況を取材したものではなく、「盆の時期にストライキなど迷惑だ」という観光客の意見を流すものばかりであったようだ。ストライキに対して経営側が新たな人員を採用した“スト破り”についても、「これで佐野ラーメンがまた食べられます」といった観光客の感想を報じたものが多く、肝心の労働者たちが追い込まれている状況に迫った報道は少なかった。

 さらに、ストライキが報道された当初期に、元労働組合経験者と称する人物が、「ストライキは労働委員会に届け出なければならない」、「要求が適切がどうか労働委員会に意見を仰ぐべき」といった誤った情報を投稿した。ストライキにおいて労働委員会への通知が必要なのは、公共インフラや公共交通などの公益事業に限られるものである。

 また、「正式な組合か」といった形式にこだわる意見、組合が突きつけた経営陣に対する「退陣要求」が「経営専権事項」であるとして「組合は要求できない」といった誤った意見など、間違いだらけの情報ばかりであった。

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筆者

鈴木剛

鈴木剛(すずき・たけし) 全国コミュニティ・ユニオン連合会 会長/東京管理職ユニオン 執行委員長

1968年生まれ。早稲田大学社会科学部卒。在学中は早稲田大学雄弁会などで活動。テレビ報道番組制作会社(「ザ・スクープ」、「ニュースステーション」)を経て、「協同労働の協同組合/ワーカーズコープ」で活動。2006年より若年非正規労働者のフリーター全般労働組合に関わり、副執行委員長を務める。08年に東京管理職ユニオン執行委員、その後、書記次長、書記長を経て、現在、執行委員長。他に全国コミュニティ・ユニオン連合会(ナショナルセンター「連合」加盟)会長、一般社団法人ユニオン運動センター専務理事、労働組合が再建した企業等の役員を務めている。著書に『中高年正社員が危ない』(小学館101新書)、『解雇最前線・PIP襲来』(旬報社)、『社員切りに負けない』(自由国民社)、共著に『フリーター労組の生存ハンドブック』(大月書店)がある。