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リブラの真の敵は米ドルではなくデジタル人民元だ

米欧の反対強くてもデジタル通貨の潮流は変わらない

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

カーニー・イングランド銀行総裁の前向き発言で状況に変化

 こうした逆風で計画はとん挫確実と見られていた8月下旬、米ワイオミング州のジャクソンホールで開かれた金融関係者による恒例の国際会議で、マーク・カーニー英イングランド銀行総裁が「多極化した世界にはドル基軸に代わる新たな金融通貨制度が必要であり、その候補として最も目立つのはリブラだ」と講演したのである。

拡大イングランド銀行のマーク・カーニー総裁=同行HPより

 リブラは、これで再浮上した。カーニー総裁の理屈はおよそ次のようなものだ。

 「今の世界の基軸通貨体制と金融システムは米ドルに依存しすぎている。基軸通貨の価値がその時々のアメリカ経済の状況に応じて大きく変動する。各国の経済政策は米国に合わせざるを得ず、金融システムは不安定だ」と、米ドル依存の弊害を指摘した。

 そのうえで、「米経済に価値を左右される米ドルよりも、仮想通貨や電子決済のようなテクノロジーによってもたらされる人工的な基軸通貨のほうが良い」と述べ、リブラへの期待を示した。世界経済の土台である基軸通貨を、現物から仮想通貨に取り換えようという大胆な提言だ。

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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